2011-2-16 辛夷の花
やまなみとほに 春はきて
こぶしの花は、天上に 雲はかなたに かへれども
かへるべしらに越ゆる路 三好達治
春に先駆けて、野山に咲く辛夷の花。透明感のある白い花が素敵ですね。
三田から宝塚へ行くJRの列車の窓からも道場辺りの山あいで見ることができます。
辛夷の花の咲く時分になると、思い出すのが
高校の国語の教科書に載っていた堀辰雄の随筆「辛夷の花」と言う一文です。
そこには、信州から東京への帰り道、車窓から三月にしては珍しく雪の舞う山の中に
辛夷の花が咲いているのを見つける堀辰雄と妻のやり取りが描かれています。
都会に育った私は、辛夷の花を見たことがなかったので、どんな花なのかな〜と想像しつつ、
毎日の生活の中にも、こんな風に会話ができる夫婦になりたいな〜〜と密かに思っていました。 (*^。^*)
私の旦那さんは、カメラで風景を写すのが趣味の極普通の会社員です。
小説は書きませんが、自然や景色には関心があるので、堀辰雄と少しは共通項があるような気がします
幸い健康には恵まれましたが、ひどい近眼な点は同じです。
この文章に出会ったおかげで、私達夫婦は、喧嘩をしながらも永らく一緒に生活しています。
そして、なぜだか二人とも辛夷の花が大好きです。!