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四季の移り替りを身近な草花や風景の写真で綴ります。

2011-2-17   落語  質屋蔵 


今日のブログは、上方落語の大ネタ 質屋蔵に付いて書こうと思います。

質屋蔵   桂米朝  CDで

米朝さんはもう80歳をとうに越えられています。

今は高座で、よもやま話と言う雑談しか聞かせて頂けないので、CDも仕方がありませんね。

米朝十八番と言うシリーズが、何回も出ています。

上方落語の噺のほとんどと言ってもいい位、人情噺から爆笑ネタまで沢山の噺が収録されています。

百年目、三十石、たち切れ線香、影清と並んで、質屋蔵も、その中の代表格でしょう。

質屋の三番蔵に入っている繻栖の帯。預けられた経緯を質屋の主人が番頭に話して聞かせる所が、

前半の山ですね。長屋に住む御かみさんが、背負いの呉服商から苦労して繻栖の帯を買うのですが、

亭主の仕事の払いの足しに質に入れることになり、その直後、寝付いた御かみさんは亡くなってしまいます。

恨みのこもった繻栖の帯が入っている三番蔵に幽霊が出るという噂が立って、、、

長屋の奥で、一日中、縫い物をして暮す御かみさん。お昼のお弁を食べに寄る呉服屋さんとの

お喋りは、さぞ、楽しい息抜きだったことでしょう。

格安で分けてもらった帯。六円の内一円を家計を始末して捻出するのですが、そのけなげさは、

聴いていて同じ女どうし私にも通じるものがあります。

竹筒に穴を開けて、コロコロスットンと小銭を貯めていく様子

米朝さんが女の人を演じる時、本当にうまいなーと感心します。

後半部分の滑稽さを、前半のしんみりさが引き立てていますね。

昔の人の生活描写が、この噺を大きく奥深いものにしてくれていると思います。。

落語に笑いだけを求めるのでなく。古典芸能としての風格を求めたい一席です。