2011-7-19 泰山木の花
泰山木の花さきしは なほ昨日のごとし
かの寄宿舎の窓べに ある日ふと その花のさきしは なほ昨日のごとし
そのかみの友 半ば戦に死し 身はひとり かくも拙く老いはてぬ
ことなべて 終わらんとして思い出は なほ昨日のごとく新らし
かの花や かの青空や 三好達治 詩
泰山木の花。枝高く大きな花が天を向いて咲いているのを見つけると自然と三好達治のこの詩を思い出します。
夏の青空が、遠い昔を呼び戻してくれるようです。戦争で亡くした懐かしい友達の顔が、次々に浮かんできたのでしょうね。
私がこの詩を知ったのは30年も前のことです。最近はこの詩の内容が身にしみて実感出来るようになりました。
ところで、今年も祇園祭が終わりました。
都大路を祭囃子と共に沢山の山鉾が巡行する模様がテレビで中継されましたが
随筆家で、仏文学者の杉本秀太郎氏の杉本家住宅も同じく紹介されていました。
http://www.sugimotoke.or.jp/
宵宮まで座敷で飾られる屏風は、みごとでした。
http://www.kyotodeasobo.com/art/staffblog/2011/07/13143732/
美術品として鑑賞するのでなく、築140年の京町屋で調度品としての屏風を
是非体験して欲しいとのことでした。
大勢の人出に敬遠しがちな祇園祭ですが、来年は、一般公開されている杉本家住宅に伺ってみようと思っています。
泰山木の樹 杉本家の庭にも植わっています。
奥様との結婚の年の記念に植えられたと、お聞きしました。
でもさすがに、名勝指定を受けられた「座敷庭」以外の場所に控えめに植わっていました。