hoop-photolife

四季の移り替りを身近な草花や風景の写真で綴ります。

201-3-2    武士の身分

切られたる 夢は誠か 蚤の跡       其角

日の春を さすがに 鶴の歩みかな     其角


松尾芭蕉の門人其角(1661年〜1707年)の句です。

門人に其角、嵐雪ありといわれた高弟で、豪放洒脱の句をよくしました。


徳川幕府大政奉還によって政権を握った明治政府のもと、

旧の武士の身分は廃止され、華族、士族(卒族は後に士族に統合)平民

身分制度が、大西洋戦争後の戸籍制度の改正まで続きました。

私の住む三田市三田藩では、身分制度を超えた新しい社会を構想した福沢諭吉の考え方を受け入れ

全国に先駆けて「一藩帰農」華族や士族などの身分を離れて農業と学問にいそしむ。を

政府に申請したそうです。(三田市史第5巻22号資料)

よって、明治4年9月に卒族の旧武士142名が身分を離れて平民になりました。

その直後、三田藩独自の政策は新政府により中止させられ、

全国統一の方針で士族には政府から禄(手当て)が支給されることになりました。

いち早く平民になった三田の142名の人々はこの制度から対象外とされたとのことです。

松方デフレと言われる近代最初の大不況が背景にあったのですが

その後これらの人々は明治14年頃から貫誠社の名の下に結集し士族への復帰と

禄の支給を求める運動を開始しました。

何度も請願を重ね、ようやく禄の給付は認めないが身分については

個別に審査のうえで検討するという回答を引き出しました。

武士道の精神を受け継ぐ士族の存続は、わが国の精神文化に大きな影響を及ぼしました。

先週末、テレビで、最後の仇討ち「我に遺憾あり」が放映されました。

臼井六郎役を藤原竜也さんの主演で、久々に本格的なドラマでした。

武士について、国粋主義について、いろいろ考えさせられました。「菊と刀」を思い出して読みたいです。