2011-3-7 はかなきもの
てすさびの はかなきものを持ち出でて うるまの市にたつぞわびしき 太田垣蓮月尼
太田垣蓮月は幕末から明治にかけて京の町で住み、和歌や焼き物をよくしました。
幕末の志士とも交流があり、富岡鉄斎には、姉のように慕われています。
杉本秀太郎氏の名著「太田垣蓮月」があります。
埴焼きの急須などを作って生計を立てていたようですが、
この歌は、篠田桃紅さんの「その日の墨」の中「吉日」という文章にありました。
1983年刊行の本で、刊行された直後買い求め、書について、
日本文化について本当にたくさんのことをこの本から学びました。
さて、陶器(土もの)と磁器を併せて、焼き物が昔から好きです。
焼き物との出会いについては又後日書こうと思います
芸術全般に言えることですが、作品を前にする時いつもこの歌が頭に浮かびます。
作られた人の魂、いうなれば 感性、芸術性の塊を蓮月は、はかなきものと呼ぶのでしょうか。
昨夜、日曜美術館でハンス・コパーの特集が放送されていました。
ハンス・コパーも作品は、製作者そのものだと言っていたそうです。
ルーシー・リー、と共に近代の陶芸を代表する作品を数多く作り出しました。
わが国では三田市にゆかりがある荒木高子さんもあげたいと思います。
本阿弥光悦、荒木高子、ルーシー・リー、そして蓮月尼。それぞれその人の手の中で作られ
生み出された焼き物に恍惚となる位、強く惹かれます。