2011-4-1 海岸線の歴史 松本健一著
白鳥は哀しからずや 海の青 空の青にも染まず漂う 若山牧水
この歌が、寝ている最中に突然浮かんできました。中学生の国語の教科書に載っていたと
記憶しています。内陸部の三田市に住む私は海を見ることが滅多にないので、
すっかり忘れていたのに!
阪神淡路大震災のとき、避難所生活の経験があるので、
東北や関東地方の人々の困難は他人事のように思えません。
同じ思いの人が日本に限らず、世界中にどれほど多くおられるのでしょうか?
映画監督の大森一樹さんが、新聞紙上で「みんなが被災者々というのは、おかしい。
今、日本人全員が被災者なのではないか」
と言っておられました。その意見に全く同感です!
心の中の深い部分で負った悲しみの傷を、海の青にも空の青にも染まずに飛ぶ白鳥が
覆ってくれているように思います。
中学生の時には、あやふやだったこの歌の意味が、今よくわかるように思います。(^_^;)
{海岸線の歴史」 松本健一著 2009年刊行
日本の国土を取り巻く海岸線の長さは、アメリカの1.5倍 中国の2倍もあるそうです。
日本海からは中国文明を、大西洋からは西洋文化を、南の海からは稲の栽培をと
海からの恩恵を抜きにしては我が国の歴史を語ることができません。
海岸線にまつわる様々な視点で書かれたこの本。
書評のみで、まだ実際に手にしていませんが、注目しています。