2011-8-29 上方落語 代書
昭和10年代 大阪東成区今里で副業として営んでいた代書屋の経験を基に作られました。
1939年4月に初演され、原点は1940年5月発行の 第46集 「上方はなし」
に掲載されています。
その後、三代目桂米朝師に伝授され、桂米朝さんは三代目桂春團治師 二代目桂枝雀師に伝授されたあと、
自身の高座では、掛けられなくなったようです。
江戸落語にも移植され二代目桂小南さんはじめ多くの噺家が口演しています。
新作落語というより、もう古典落語といってよい上方落語の名作になりました。
桂春團治師、桂枝雀師 桂小南師 それぞれの噺家さんの十八番の演目になりましたが
演じる噺家によって、演出や噺の筋の取り上げ方が違っています。
代書を通しで語る噺家さんは稀で、なかなか最後まで聴く機会がありませんでしたが、
米朝さんの直弟子桂宗助さんが3年位前から取り上げています。
四代目桂米團治師 三代目桂米朝師を受け継いだ正統派の代書を聴く事ができます。
昭和初年、私の父母の生まれた頃の大阪の風物を堪能することが出来て、この噺を聴くたび、懐かしさで気持ちが温まります。
宗助さんの今年の秋の独演会(9月11日 テイジンホール)でも口演されます。
ここからが今日の話の本題なのですが、前置きが長くてすみません!
桂文我さんも今年の秋の独演会(10月20日 国立文楽劇場小ホール)で口演されるというのです。
かたや米朝師匠 かたや枝雀師匠のいいところを受け継いでの対戦かな〜?
それとも文我師匠オリジナルの代書を聴く事ができるのかしらと、私は今から楽しみにしています。
長い噺なので、噺家の腕さばきで、如何様にも変幻自在なのでしょうか?
枝雀さんの親子の情が、ひたひたと伝わってくる代書も素晴しいし、
米朝さんの端正な代書屋さんにも惹かれます。
その時代、時代に合った代書を聴かせて欲しいな〜と願っています。