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四季の移り替りを身近な草花や風景の写真で綴ります。

2012-7-1 桂文我 独演会・ 演目「らくだ」

6月28日(木)午後6時30分開演 大阪日本橋国立文楽劇場で開催された

桂文我さんの独演会に行ってきました。

この日の演目は「らくだ」と「佐々木裁き」

他に今年3月までNHKラジオでラジオビタミンの番組を担当されていた村上信夫さん

との対談があり、ラジオでも枝雀まるわかりのコーナーで取り上げていた桂枝雀さんの

思い出を楽しく聴かせて貰えました。


「らくだ」を口演せずじまいだった枝雀さんですが、いつかは取り上げたいと思って

文我さん(当時は雀司さん)をお相手に構想はいろいろ練っておられたそうです。

脳天の熊という無頼者の登場するこの噺は、まじめな紙屑屋との対比で進行していきます。

らくだと呼ばれた男の荒れた長屋暮らし。 一方家族を養うために家業に精を出す紙屑屋

お酒が元で身代をつぶしてしまった紙屑屋の独白場面は、この噺の大きな山で、

いつもこの場面では,お芝居を観ているように聴き入ってしまいます。

最近の不景気で若い人の就職難、貧困層生活保護受給者の増加を思うと

景気のよかった頃には実感しづらかった庶民の長屋暮らしも妙に現実味を増してきます。

本来大ネタで長い噺ですが、文楽劇場での第1回独演会で口演するにあたって、

文我さんは師匠の果たせなかった「らくだ」への想いをいっぱい盛り込んで、

さげまで切らずに丁寧に口演されました

今まで聴いたことのないような力強い文我さんの「らくだ] 感動的でした。