2011-10-22 桂文我独演会演目「ぼうふり虫」 井原西鶴作/三田純市脚色
10月20日(木)桂文我独演会が大阪国立文楽劇場(小ホール)であリ、三田から聴きに行ってきました。
この会は、毎年、秋の文化庁芸術祭参加作品で、
桂二乗 開口一番「癪の合い薬」
桂文我 「ぼうふり虫」
桂まん我 「たいこ腹」
桂文我 「代書」
桂文我 「鹿政談」
五席 18時30分開演 21時終演。大きな一本締めでお開きになりました。
150席の会場は、補助席も出るほど、文我さんのファンの方々が一杯お見えでした。知り合いの方も何人かおられ、
私だけでなく、皆さん遠方から応援に駆けつけているという感じで、客席も熱気が漂っていました。
文我さんの三席の内、「ぼうふり虫」は初めて聴く噺なので、楽しみにして出かけました。
ところで、ぼうふり虫とは、ぼうふら(蚊の幼虫)のことで、江戸時代 金魚のえさとして商売になったらしいです。
一すくい掛けそば2杯分くらいの値で売られていたとか。
色町通いで身代をつぶした男が、今は、どぶの中から掬ったぼうふり虫を売り、生計を立てています
久しぶりに昔の遊び仲間に出会うのですが、男の窮状を知った友達に掛けられた情をつき返してしまいます。
すぐさま、家族もろともに引っ越してしまい、行方知れずに、、、
「長屋の露地に咲く一本の秋海棠の花が、この男の遊び心だったんですな〜」という言葉に胸を打たれました。
本当に秋海棠の桃色の花が、そこに咲いているように見えてしまうところが、桂文我の話芸の凄さだと思います。
貧乏暮らしを共にしている女房は、男が身請けして一緒になったことを、原作にあるように言って欲しかったです。
やはり女心としては、その辺のところにこだわりたいんです! 色町にも純情の恋の花が咲いて欲しいですね〜
今の世相を反映させて、たくさんの内容を盛り込んだ熱演でした。
又、文我さんの「ぼうふり虫」を聴かせて貰える日を楽しみにしています
聴き応えのある人情噺。きっと、進化していますよ! (*^。^*)